« 栗谷~からの | トップページ | 地元の駅前で »

2015年9月28日 (月)

小堀眞裕著「国会改造論 憲法・選挙制度・ねじれ」

日本の政治家や学者が「欧米では」「グローバルスタンダードでは」というとき、欧米でも、グローバルでもなく、アメリカ基準で語っていることは多い。

確かに現代日本で、外国文化はアメリカに影響されているものが多い。例えば外国映画といえば、かなりの割合でアメリカからだ。フランス映画、イギリス映画、インド映画もあるけれど、マニアレベルといっても差し支えない。

ところが。日本の政治、法律のシステムの基本は明治維新時、欧州を参考にした。そこに戦後、アメリカ型の選挙システムをつぎはぎするような形で現在に近い制度がスタートしている。

著者はイギリス政治学が専門で、いわゆる憲法学者ではない。各国の二院制はどうなっているか、「ねじれ」が生じたとき、どのような手段で解決しているかなど、欧米諸国の事情に明るい。日本の憲法の条文にこだわらないため、政治システムの論評については、かゆいところに手が届く。

「二院制の国で、それぞれの選挙を全く別の時期に行う国は珍しい」「首相にフリーハンドで下院の解散権を与えている国は皆無」「小選挙区導入以前にも衆参がねじれている時期は長かったが、その間の法案可決率は今より格段に高い」などなど、池上彰さん並みに「そうだったのか!日本の政治」と言いたくなるような目からうろこの事実を教えてくれる。

この本は2年ほど前のに出版だが、ことしの安保関連法案採決時の混乱を予言しているかのような記述がある。なるほど、今のシステムではあらゆる場面でこうなるしかないのかと、制度設計のやり直しの必要性を感じる。

民主主義とは多数決がすべてではない。でも、多数決はすべての場合において「数の横暴」でもない。そのことをあらためて考えなければいけないと思う。

|

« 栗谷~からの | トップページ | 地元の駅前で »

電子書籍」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1124357/62301450

この記事へのトラックバック一覧です: 小堀眞裕著「国会改造論 憲法・選挙制度・ねじれ」:

« 栗谷~からの | トップページ | 地元の駅前で »