Kindle Paperwhite来た
電子書籍はiPadやiPhoneを使って随分前から読んでいたが、専用端末を初めて手に入れたのは2012年夏。楽天のkobo touchを購入した。7,980円。貯まっていた楽天ポイントを使い、さらに購入時には1,000だか2,000ポイントの還元があったので、手出しは3,000円ぐらい。電子書籍端末を試してみる授業料としては高くはあるまい。
半年ほど使ってみて、電子書籍端末は紙の書籍、iPadなどのタブレット端末にはない数多くの利点があることを実感した。以下、メリットを並べる。
【紙の書籍に対する優位】
・軽い(文庫本1冊分程度)。旅や出張の時、何冊も鞄に詰め込む必要がない
・指のタッチだけでページがめくれるので、満員電車で吊革を持ったまま読める
・居ながらにして、その場で新書を買える
【タブレット端末に対する優位】
・目が疲れない。iPadは輝度を落としても、暗い車内で読んでいると目がチカチカしてくる。E Ink恐るべし
・タブレット端末に比べ軽く、手が疲れにくい(iPad mini=300g、kobo touch=185g)
・消費電力が格段に少ない。毎日使っても、1カ月近く充電せずに済んだ
…と。あれこれ利点を並べた。これだけ惚れ込んでいるなら、これからも使い続けるだろうと思いきや。kobo touchは手放すことにした。上に挙げた利点は「電子書籍端末」全般のことであって、kobo touch独自のものではない。kobo touchには、他の端末にない独自の「難点」があった。それは、
・レスポンスが悪い。ページをめくろうとタッチしても動かず、もう1回タッチすると2ページめくられることがよくある
・起動が遅い
・意味もなくフリーズする。多目的の端末ならともかく、お粗末すぎる
・電子書店の掲示の仕方が不親切。紙の本換算で何ページ程度の分量かが表示されておらず、昔の新聞記事の切り抜きのようなものを「新書」として平気で販売している
・辞書機能が使いにくい。調べたい単語がうまくつかめない。手元に辞書を置き、調べながら読む方が何倍も早い
・とにかくイライラする
…と、そんな感じ。逆に、kobo touch独自の利点としたら、楽天ポイントが使えることぐらい。これまでありがたく使ってきたのだけれど、レスポンスの悪さでストレスを感じるぐらいなら、ポイントなんか使えなくてもいい。もう一つ利点を挙げるなら、SDカードが挿入できることか。使ってなかったけど。本来機能と違う利点なら、改造しやすいことかな。ここは若干、興味あり。
そんなわけで。昨年11月に発売されたKindle Paperwhite(Wi-Fi版)が今日やってきた。7,980円。購入はAmazonからだけど、実機はヤマダ電機の店頭で試し済み。見た目は同じようでも、細かい使い勝手はkobo touchとは雲泥の差。ネットで比較サイトを見ると、どちらも同程度の端末であるという記述が多いことに驚く。例えてみるなら、国産A社の車と、独車B社の車のスペックを比較し、排気量3,000CC、280馬力などの数字が近いことを理由に「A車とB車は同程度」と判断するようなものだ。
せっかくなので、両機を並べてみる(いずれもテルマエ・ロマエ第2巻)。右がkobo touch、左がPaperwhite。Paperwhiteにはフロントライトが付いている。ライトについての比較は、対kobo gloじゃないと公平ではないので、ここではスルーするー。
↑コマ外の注釈が読みにくいので、画面下部をタップし、コマンドを出して拡大してみると…。注釈は2行あるのに、kobo touchは下まで画面が届かず読めない。こういう「イラッ」をいくつもいくつも重ねてくれるのがkobo touch。コマンド表示部分を「×」で閉じると読めるけど、元の画面に戻すときにまたコマンド画面が必要。あーメンド臭い。
↑同ページをPaperwhiteで拡大するとこの通り。ダブルタップで拡大、縮小。当たり前のことを当たり前にやってくれる。それが今、実にありがたい。
とか書きつつ。モノクロの電子書籍端末で、マンガを読むのはかなり辛い。そんな時はiPad&iPhone用のkindleアプリ。kindleで購入した電子書籍は、基本的にクラウドに保存され、他の端末からも読むことができる。やっぱ、マンガを読むならiPadだね。画面の拡大、縮小も楽。(結局、テルマエ・ロマエはiPadの紀伊國屋アプリから購入して読んだ)
koboは「iOS用アプリを準備中」としながら4カ月だか、5カ月が過ぎた今も、何のリリースもない。出足だけは早かったけど(2011年に国内販売)、その後はねえ…。
最後に。kobo touchとお別れする前に、この端末で読んだ主な本を列挙しておく。
・池袋ウエストゲートパーク1~6(石田衣良)
・アヒルと鴨のコインロッカー(伊坂幸太郎)
・政治はなぜ劣化したのか 94年政治改革の懺悔 細川・河野証言(朝日新聞)
・江戸川乱歩(平林初乃輔)
・桐島、部活やめるってよ(朝井リョウ)
・運命の人1~4(山崎豊子)
・阪急電車(有川浩)
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