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2011年6月 1日 (水)

目の三角

人の目(というか人の脳)は、目に映ったものをそのままインプットしているのではなく、認識する過程で必ず独自のフィルタを通る。いうてみれば、「見間違い」は起こるべくして起きる。見間違いではなく、そこにあるすべてを間違いないように見ていても、周囲の状況によって異なる認識を得る。

…ってな書き出しだと、何だか堅苦しいことが続きそうだけど。そういうわけでもなくて。

ネットでも新聞でもいいけど、情報を知る端緒となる見出し。前後に並んでいる見出しが変わると、認識もそっちに引っ張られてしまう。

例えば。

・自公、今夕に内閣不信任案を提出
・経団連会長「今、総選挙をやっている場合じゃない」

普通の政治系見出しが並んでいると、なるほど、野党は本格的に倒閣に動き始めたけれど、経済界としては反対しているのね、とすんなり入ってくるはず。2月までは経団連会長も衆院解散・総選挙を求めていたけれど、今はそういう場合ではないという主張がよく分かる。

並んでいる見出しを別のものにすると。

・AKB総選挙に異変。中間発表で板野8位転落
・経団連会長「今、総選挙をやっている場合じゃない」

どうやら、経団連会長の一押しは中間発表1位の大島ではないようですね。CDを何千枚も買い占める余裕がないので、苦し紛れに総選挙をやっている場合じゃない、と。

・韓国メディア「金正恩氏が結婚」報道 後継者確定か
・大好きなのは金○日。金○日、万歳!

韓国メディアの記事の後、伏字の見出しが並ぶと、つい頭の中では「○=正」と変換して読んでしまいます。「万歳」を心の中で「マンセー」と読んだ人も少なくありますまい。

これも、別の見出しを並べてみましょう。

・「土日は家族と 週の疲れを癒す飲み会は仕事後」会社員アンケート
・大好きなのは金○日。金○日、万歳!

あら不思議。「○=曜」に見えてきましたねえ。懐かしの「花金」という言葉が頭に浮かんできました。え? 「花金」なんて言葉は知らない? 坊やだからさ…

「クリックさせる」ことが今後のメディアの収入を大きく左右させるのだとしたら、ひと目ですべてが理解できる見出しではなく、なぜか分からないけど気になる見出しが今後の時代の「いい見出し」と呼ばれるのかもしれない。

そういう技術を、一般紙で本格的に研究していると聞いたことは全くない。紙媒体でこれを実践しているのが、東スポ(こちらでは九スポ)。読み終わった後に「見出しと違うじゃないかっ!」とムカッとくるのではなく、くすっとしてしまう。このさじ加減がプロの技。

私がかなり以前に秀逸だと思った東スポ(こちらでは九スポ)の見出しは「舛添要一、警視庁に爆弾..」。何事かと思って買ったら、下に小さく「発言」とあり、行政と組織についての真っ当なコメントだった。

ウソ、大げさ、紛らわしい見出しは放逐したいが、人が読みたくなる見出しとはどんなものなのか、研究してみたいと思っている今日このごろでしたとさ。

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