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2011年3月 2日 (水)

「盤上のアルファ」読了

タイトルに「読了」と今さっき読み終えたみたいに書いたけど、読んだのは10日ほど前。第5回小説現代長編新人賞(講談社主催)を受賞した塩田武士さんのデビュー作。同業の集いの時にご本人がアピールされていたので、すぐにAmazonで注文した。

まず驚いたのは第二刷だったこと(そこかよっ!)。色んな出版がある中、初版のみで終わる本も数多い。さすが、全選考委員が満場一致で決めた作品、注目度は高いのだろう。

塩田さんは神戸新聞勤務の31歳(まだ増えていなければ)。自身の経験を踏まえ、社会部記者から将棋担当に左遷された「秋葉」、そして破天荒な将棋指し「真田」という、いずれも33歳の男の出会いと「人生への挑戦」を描く。前半3分の1ほどまでは秋葉のことばかり続くので「真田はいつ登場するのだ」と心配になってくる。いやいや大丈夫、残りは3分の2あるのだから、どんどん読み進めばいい。

「本格派将棋小説」を期待する人たちは、何やら肩すかしのように感じているようだけど、私はどっちかというと(そっちしかないけど)秋葉の方に感情移入をするので、新聞記者の現場を描く場面は生々しくてドキドキした。

ストーリー展開は整いすぎているほどの伏線があり、最後はしっかり風呂敷に包み込む。エンターテインメント小説として「次はどういう展開なんだ」という興味が沸き、一気に読み終えられる。

個人的な嗜好を書くと、もっと人物描写を細かく丁寧にしている文章の方が好き。私は小説を読む時、自分がもし映画監督で、この本を映像化するならどんな俳優を使いたいかということを空想するのだけど、人物の描写がいまひとつぼんやりしていて、俳優の顔まで浮かんでこない。「秋葉」が出てくる場面は、ずっと塩田さんの顔が浮かんでたけどね。

今後の作品は秋葉記者を前面に出し、駆け出しのころの「秋葉記者ビギンズ」的なのとか、将棋記者から次に異動になった「その後の秋葉記者」とか、そっちの方を読みたいな。期待してます、塩田さん。

あ、そうだ。次に会える機会があったら、本を持って行ってサインしてもらおーっと。んで、塩田さんにはもっと有名になってもらおーっと。

ページ数はあるけど一気に読み進められるので、興味を持った方はどうぞ。Amazonへのリンクはこちら⇒

Amazonにリンクを張っていて思い出したけど、以前、別の場所で別の同業者の方が自著を紹介される時、「絶版になっているので書店にはありませんが、Amazonの中古なら1円です」って言われたのは切なかったなあ。

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