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2010年10月 6日 (水)

巨悪は眠る(フィクション)

これから書くことは、全くのフィクション。取材にも基づかず、実在の人物とはもちろん、無関係。ニュースで聞きかじったことから勝手に空想し、だらだらと書いてみただけ。「どこかにすべてを知った悪がいる」という設定は、ありがちな三文ドラマだけど、昨今の「記者クラブ諸悪の根源論」がウケているのを見ると、意外と受け入れられやすいのかしら。このプロットを基に、人物像の肉付けをしっかりし、小説化したら、面白いかも。な~んてね。

あえて差別っぽい表現をしてますけど、そこは物語ということで。そんなこと、思ってませんから。私も地方大出身者だもん。

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厚労省は省庁改変により誕生したが、旧厚生省出身者は旧労働省を格下に見ており、実質的には吸収合併であると思っていた。

旧労働省出身のM木女史は、障害者問題などに地道に取り組み、局長まで上り詰めた。女性として2人目の事務方トップ事務次官候補にも名前が挙がっていた。

だが、M木女史は高知大出身。東大出身で自らをエリートと自負する官僚たちにとって、地方大出身で、しかも省庁としては格下の労働省出身者が上司にいるのは我慢のできないことであった。M木女史は努力によって現在の地位をつかんだゆえ、生まれながらのエリートたちに妬まれる存在となっていった。

一方、検察。司法試験を合格し、地検特捜部のエースとなるのはもちろん、東大出身でなければならない。早稲田、慶応出身者までは許せるが、地方の国立大出身者が天下国家を論じるなんて、鼻で笑ってしまう。地方大の出身者は、大人しく下級官吏として県庁にでも入り、国の方針をただ実行していけばいいのだ。

そんな世界に飛び込んだ広島大出身のM田検事。東大出のエリートには真似できない泥臭い捜査で、頭角を現す。上司たちも「使える男」として「特捜部のエース」と持ち上げ、筋立ての難しい事件はM田に担当させた。うまくいけば自分の手柄、失敗すれば本人の責任。

そんな中、郵便割引制度不正事件が起きた。厚労省内では「これでM木を飛ばせる」と考えた東大閥がいた。東大出身者は徒党を組むことをよしとしないが、自分たちに不要な者を排除する時には、驚くほどの結束を見せる。厚労省から地検特捜部へ「M木をやってくれ」と連絡が入った。

検察は、当初から無理筋な案件であると感じていた。けれど、M木を足掛かりに政治家へのルートを明らかにできれば、またとない手柄となる。民主党政権が続いては、自分たちの将来が暗い。民主党のO沢元代表とかつて近い位置にあったI井議員をあげれば、決定的な打撃を与えられる。もし、有罪にできなくても、疑惑があるとリークし、国民に「民主党はダーティ」を印象付けられれば、それだけでも目的の一部は果たせる。

検察は、駒としてM田検察官に白羽の矢を立てた。「どんな資料をでっち上げてもいい。M木を追い込み、最終的には民主党政権をつぶせ」。M田は「業務命令」に従った。M田が代議士ルートの筋立てをつくることができれば、検察の勝ち。そうでなければ、M田にすべてを被せてしまえばいい。フロッピーディスクの改竄を支持したのは、部長であった。

M木女史は無罪となり、M田のFD改竄が明るみに出た。この時点で、大阪地検特捜部は事態を重く見ていなかった。「M田の独断により検察の信頼を失墜させたことをお詫びします」と会見すればそれで済む。そう思っていた。

ところがA新聞は、改竄事件が大阪地検特捜部の組織ぐるみの犯罪である証拠をつかんでいた。切るべきトカゲのシッポは一カ所ではない。最高検トップは、即座に「大阪地検を切れ」。新聞報道から即日、M田は逮捕され、大阪地検特捜部の部長、副部長も逮捕された。

最高検トップは言った。

「これで濁った血を一掃できた。大阪地検はなくなってもいい。地検特捜部の本質は東京だよ。大阪から天下国家を論じるなんて、鼻で笑っちゃう」

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